ダブルトップやダブルボトムは、一見すると誰でもわかりやすいチャートパターンです。しかし「形が出たから即エントリー」と考えると、高確率で負けてしまいます。僕自身も過去に、この単純さに惑わされて痛い目を見た経験があります。
では、なぜ多くの人が失敗するのか。その理由は、パターンだけを根拠にしているからです。本来、意識すべきは「どこで出たか」という相場の背景であり、サポートやレジスタンス、トレンドの流れに沿った場面でこそ本領を発揮します。
実際に僕自身が学んだのは「反発が見込まれるポイントでダブルトップやダブルボトムが出現したときだけが狙い目」ということです。さらに下降トレンド中のダブルトップや上昇トレンド中のダブルボトムは、特に信頼度が高いと気づきました。
改善のためには、単純な形に飛びつくのではなく「背景のシナリオ」を描いたうえで、パターンを補強材料として扱う姿勢が必要です。
過去の反省を踏まえて整えた現在の基本方針は次の通りです。
- ダブルトップ・ダブルボトム単体では信頼度が低い
- 反発が期待できるサポートやレジスタンスと組み合わせて使う
- ネックラインを割ったタイミングがエントリーポイント
- 損切りは直近の山や谷の上(下)に置くのが基本
- トレンド継続中に出現した場合は優位性が高まる
- 特に下降トレンド中のダブルトップ、上昇トレンド中のダブルボトムは強力なサイン
- 決済根拠としても活用でき、トレンド転換の兆しを早めに察知できる
ダブルトップ・ダブルボトムの基礎知識
チャートパターンの特徴と形状
ダブルトップやダブルボトムは、相場の転換を示す典型的なチャートパターンです。形としては、ダブルトップは山が二つ並ぶような形状、ダブルボトムは谷が二つ並ぶような形状になります。見た目がわかりやすいため、トレード初心者でもすぐに気づけるのが特徴です。
実際のチャートでも、この形は繰り返し出現します。高値を二度試したものの更新できない場合にダブルトップが発生し、安値を二度試したのに割れなかった場合にダブルボトムが発生します。いずれも「相場が転換するかもしれない」というシグナルと考えられる場面です。
このパターンが注目される理由は、シンプルながらトレンドの反転や調整局面を捉える可能性があるからです。しかし、形が出たからといって直ちに売買を決めるのは危険です。
信頼度が低い理由と注意点
ダブルトップやダブルボトムは、あくまで参考程度に扱うべきシグナルです。その理由は、他のチャートパターンに比べて信頼度が低いからです。例えばヘッドアンドショルダーや逆三尊は強い転換パターンとして知られていますが、ダブルトップやダブルボトムは「だまし」が多く、形だけでは優位性が薄いのが実情です。
僕自身も過去に「形が出たから」と安易にエントリーして負けた経験があります。こうした失敗の多くは、背景を無視してパターンだけに頼ったことが原因でした。そこで重要になるのが「どの場面で出現したか」という文脈です。
注意点として意識したいのは次の3つです。
- 単体での使用は避け、抵抗線や支持線と組み合わせる
- ネックライン割れを確認してから判断する
- 損切りポイントを明確に設定する
形だけで信じてしまうと不必要な損失を招きます。パターンを「補助材料」として扱うことで、ようやく実戦で活かせるシグナルとなります。
有効に機能する場面の見極め方
サポートやレジスタンスでの出現に注目する
ダブルトップやダブルボトムが最も力を発揮するのは、相場の重要なポイントで出現したときです。具体的には、過去に何度も意識されてきたサポートラインやレジスタンスラインの付近で形が現れるケースです。これらの価格帯は市場参加者が注目しているため、反発や反転の可能性が高まります。
僕自身も水平線を引いておき、その水準に価格が迫ってきたときにパターンが出るかを確認しています。このように「反発しやすい場所」という前提があると、パターンの信頼度が一気に高まります。
有効な場面を探す際のポイントは次の通りです。
- 過去に何度も跳ね返された水準をチェックする
- サポート・レジスタンスを基準にシナリオを立てる
- 形だけでなく背景の位置づけを優先する
パターンそのものよりも「出現した場所」に価値があると意識することが重要です。
ネックライン割れを狙うエントリーポイント
ダブルトップやダブルボトムをエントリーの根拠に使う際は、ネックラインの突破を基準にするのが基本です。ダブルトップの場合は二つの山の間の安値を下抜けた瞬間、ダブルボトムの場合は二つの谷の間の高値を上抜けた瞬間がエントリーポイントとなります。

このタイミングを待たずに「形が見えたから」と入ってしまうと、すぐに逆行することが多いです。セオリー通りにネックライン割れを確認することで、だましを減らせます。
また、典型的な戦略としては「ブレイクを確認して入る」か「ブレイク後の戻しを待って入る」方法があります。僕自身は、明確に割れた瞬間を狙うことが多く、短期トレードではこのシンプルさが有効に働くと感じています。
損切りの基本ルール
エントリー後に損切りをどこに置くかは、トレードの安定性を大きく左右します。ダブルトップの場合は直近の山の上、ダブルボトムなら直近の谷の下に損切りラインを設定するのが基本です。
注意すべきは、左右の山や谷が必ずしも同じ高さではない点です。このため「直近側」を基準に置くことで無駄に広い損切り幅を避けられます。
損切りを適切に置くためのポイントは以下の通りです。
- 直近の山や谷の外側に置く
- 高さが異なる場合は近い方を基準にする
- 損切りを曖昧にせず必ずルール化する
感覚的に判断すると、負けが積み重なりやすくなります。明確な損切りルールを決めておくことで、安定したトレードにつながります。
トレード実践での活用方法
エントリー根拠としての使い方
ダブルトップやダブルボトムは、単独では弱いシグナルですが、他の根拠と組み合わせることで強力なエントリー材料になります。特に重要なのは「相場が反発しやすい場面」を前提にして使うことです。抵抗線や支持線、トレンドの流れを踏まえたうえで出現した場合、パターンは大きな意味を持ちます。
僕自身は、パターンをあくまで「補助」と位置づけています。メインの根拠は抵抗帯やトレンド判断であり、そこにダブルトップ・ダブルボトムが加わると根拠が二重になるため安心感があります。
活用の手順を整理すると次の通りです。
- 先に抵抗帯やサポートを確認する
- 反発シナリオを描いてからパターンを探す
- ネックライン割れを条件にエントリーする
この順序を守るだけで、根拠のないエントリーを避けられるようになります。
決済の判断材料としての応用
エントリーだけでなく、ポジションを持っている最中にダブルトップやダブルボトムが出た場合は、決済判断の材料になります。たとえばショートを持っている場面でダブルボトムが出現した場合、それは下落の勢いが弱まった可能性を示します。

僕自身も「まだ下がりそうだ」と思いつつ、ダブルボトムが出たことで早めに利確し、結果的に逆行を避けられた経験があります。決済判断は曖昧になりやすい部分ですが、こうしたパターンを客観的な目安にすることで迷いを減らせます。
決済時に有効なポイントは次の通りです。
- 保有ポジションと逆方向のパターンが出たら警戒する
- 移動平均線など他の根拠と合わせて決済判断を強化する
- 利確や損切りを迷った時の補助材料として利用する
相場の流れが変わり始めたサインを早く察知することで、損失を防ぎ利益を守れます。
トレンド中における優位性の高いパターン
トレンドが明確に出ている場面でのダブルトップやダブルボトムは、特に優位性が高まります。下降トレンド中に高値を二度試して超えられなかったダブルトップ、あるいは上昇トレンド中に安値を二度試して割れなかったダブルボトムは、流れと一致しているため強力なシグナルになります。
実際に僕自身も下降トレンド中のダブルトップでエントリーした際、損切り幅を10pips程度に抑えつつ、数十pipsの利幅を取れたことがあります。このようにリスクリワード比の良さも、このパターンの魅力です。
有効なポイントをまとめると以下の通りです。
- トレンド方向と同じ向きに出現した場合は信頼度が高い
- 損切り幅が小さく済みやすく、リスクリワードが良好
- 強気にエントリーするチャンスになり得る
トレンド中のパターンを見逃さずに捉えることが、収益を安定させる大きな鍵となります。
鉄板パターンとおすすめの戦略
下降トレンド中のダブルトップ戦略
下降トレンドの最中に出現するダブルトップは、非常に信頼度が高いパターンです。すでに下落の流れが続いている中で、一度戻りを作り、その後もう一度高値を試したものの超えられない場面は、売り圧力の強さを示しています。ネックラインを割った瞬間に一気に下げることが多いため、エントリーのチャンスになりやすいです。
僕自身もこのパターンでトレードすることが多く、損切り幅を小さく設定しながら大きな利幅を狙える点が魅力だと感じています。特に10pips前後のリスクで50pips以上のリターンを得られる場面も少なくありません。
ポイントを整理すると次の通りです。
- 下降トレンド中に二度の高値トライが失敗したら注目する
- ネックライン割れを確認してエントリーする
- 損切りは直近高値の上に置き、リスクリワードを重視する
この戦略は「鉄板」と呼べるほど再現性が高く、積極的に狙う価値があります。
上昇トレンド中のダブルボトム戦略
上昇トレンドでのダブルボトムも同様に強力なサインです。上昇の流れの中で一度押しをつけ、再び安値を試しても割れないケースは、買い勢力の強さを裏付けています。ネックラインを超えると一気に上げやすく、トレンド方向に乗る絶好の場面となります。

僕自身もこの形を捉えてロングでエントリーし、短期的に大きな利益を得られたことがあります。下降トレンド中のダブルトップと同じく、トレンドに沿った方向でエントリーする点が重要です。
意識すべきポイントは以下の通りです。
- 上昇トレンド中の二度の安値試しに注目する
- ネックライン突破でエントリーする
- 損切りは直近安値の下に置き、リスクを限定する
トレンドと同じ方向にエントリーすることで、無理のない形で勝率と収益性を両立できます。
リスクリワードが高い場面の特徴
ダブルトップやダブルボトムは、損切り位置が明確に決められるため、リスクリワード比が良好になりやすいパターンです。特にトレンド中の形は損切り幅が狭く、成功した場合に大きな値幅を狙えるため効率的です。
僕自身の経験からも、損切りが直近の山や谷に置けることで、無駄に広いリスクを取らずに済みました。その一方で、利益はトレンド方向に伸びる可能性が高いため、安定したトレードにつながります。
リスクリワードの観点から重要な点は次の通りです。
- 損切り幅が小さいため、少ないリスクで入れる
- 利益はトレンド方向に大きく伸ばしやすい
- 数回の失敗があっても、1回の成功で取り返せる
この特性を理解しておくことで、パターンをより戦略的に活用できます。
実践で活かすためのポイント
サブ根拠として扱う重要性
ダブルトップやダブルボトムは、チャートに頻繁に出現するため一見頼りたくなるパターンです。しかし単独で使うと信頼度が低く、だましに遭いやすいのが現実です。僕自身も過去に「形が出たから」と飛びついて損失を出したことがあります。
そこで重要になるのが「サブ根拠」としての活用です。抵抗帯やサポート、移動平均線などのメインシナリオを先に持ち、そのうえでダブルトップやダブルボトムが出れば根拠が補強されます。これにより「安心して入れる場面」と「見送るべき場面」を切り分けられるようになります。
意識したいポイントは次の通りです。
- 単独ではなく他の要素と組み合わせる
- あらかじめシナリオを描いてから利用する
- 補強材料として信頼度を高める
この姿勢を徹底することで、パターンを使ったトレードが安定します。
シナリオを描いてパターンを補強する姿勢
実践で成果を出すためには、ただ形を見つけるのではなく「なぜそこに出たのか」を考える必要があります。過去の反発ポイントか、トレンドの流れと一致しているか、といった背景を踏まえることで、シナリオに厚みが出ます。
僕自身も「この価格帯は反発が起きやすいはず」と仮説を立て、そのうえでパターンが出現すると自信を持ってエントリーできます。逆に、シナリオが曖昧な場面では形が出てもエントリーを控えるようになり、無駄なトレードが減りました。
シナリオを描く際に押さえておくべき点は以下の通りです。
- 抵抗帯やサポートを明確にしておく
- トレンド方向を確認し、逆張りは避ける
- 仮説を立ててからパターンを待つ
このプロセスを繰り返すことで、パターンを活かしながらも無駄のないトレードを実現できます。
まとめ
ダブルトップやダブルボトムは、誰でも気づきやすいシンプルなチャートパターンです。しかし、単独で信じてエントリーすると失敗する確率が高く、あくまで補助的な材料として使うことが大切です。
効果的に活用するためには、サポートやレジスタンスなどの重要な水準と組み合わせ、ネックライン割れを待ってエントリーする姿勢が欠かせません。特にトレンド方向と一致した場面では優位性が高まり、リスクリワード比の良いトレードにつながります。
ポイントを整理すると次の通りです。
- 単独ではなく他の根拠と組み合わせる
- ネックライン割れを確認してから入る
- 損切り位置を明確に決めておく
- トレンドと一致した場面で積極的に活用する
- 決済判断の補助材料としても有効
僕自身も過去の失敗を経て、サブ根拠として使う姿勢に変えてから安定した結果を得られるようになりました。形に飛びつくのではなく、シナリオを描いたうえでパターンを利用することこそ、実践で成果を出すための最善の方法だと考えています。



