平日24時間取引できるFXですが、実際に勝ちやすい時間は限られています。結論として大切なのは、市場ごとの癖を前提にして「どの時間に入るか、どの時間は避けるか」を切り分けることです。なぜなら、東京・ロンドン・ニューヨークでは参加者や思惑が大きく変化し、テクニカルだけでは通用しない場面が多く存在するからです。
僕自身、ロンドン市場の動きを意識し始めてからは東京のトレンド追随をやめ、むしろ反転を待つことで無駄なエントリーが激減しました。中値にかけた動きやロンドン初動の癖を理解するほどに、これまで説明できなかった負けの原因が見えてきたのです。
そこで改善の一手として有効なのが、まずは三大市場のうち一つに絞り、その市場を徹底攻略することです。時間帯ごとの流動性が上がる瞬間に集中し、それ以外は思い切って見送る。テクニカルの形よりも先に「市場の時間リズム」を理解する。これが土台となります。
過去の反省を踏まえて整えた僕の基本方針は次の通りです。
- 東京はボラが低めで中値前後が勝負所
- 午後は静かになりやすく深追いは非効率
- ロンドンは東京の流れを否定しやすい点に最大警戒
- サマータイム期は一時間前からアーリーロンドンを監視
- ニューヨークは指標主体で21時から25時が最も厚い
- 大口オプションカットと月末ロンドンフィックスは強い節目
- まずは一市場を徹底攻略して型を作り、時間帯外のエントリーを削減
各市場の時間帯とトレードの基本方針
三大市場を中心に狙う理由
FXは24時間取引が可能ですが、実際に値動きが活発になるのは東京・ロンドン・ニューヨークの三大市場です。多くのトレーダーや機関投資家が参加しており、流動性が高まるためです。この時間帯ではスプレッドも比較的安定し、テクニカル分析が機能しやすい環境になります。
僕自身も初心者の頃は「いつでも取引できる」という安心感から夜中や早朝にエントリーしていました。しかし、薄い板の中で思惑通りに進まず、すぐに含み損に陥ることが多かったのです。そこで三大市場に絞ってトレードするように変えた結果、値動きの質が明らかに改善しました。
特にメリットとしては以下の点が挙げられます。
- 値幅が出やすく利益を狙いやすい
- 注文が集中しやすく節目が意識される
- テクニカルが機能する場面が増える
どの市場を選ぶかはライフスタイル次第ですが、まずは一つを重点的に攻略するのが近道です。
流動性が薄い時間を避ける考え方
市場が閉じている時間帯は、参加者が少なく値動きが不安定になります。特にニューヨーク終了から東京開始までの早朝や、東京午後の中途半端な時間は典型的です。スプレッドが広がり、ストップ狩りのような不規則な動きが目立ちます。この時間に無理に入ると、戦略ではなく偶然に左右される結果になりやすいです。
僕自身も深夜にポジションを持ち越して痛い目を見た経験があります。たとえば、指標もなく静かな相場で小さく抜こうとしたところ、わずかなフローで逆行し、ロスカットになったことが何度もありました。やはり「動かない時間に入らない」ことこそ、勝率を上げる第一歩です。
効率的に避けたい時間帯は次のとおりです。
- 東京市場前の早朝(スプレッド拡大が顕著)
- 東京午後からロンドン前までの閑散時間
- ニューヨーク終了後から欧州早朝までの時間帯
トレードチャンスは限られているからこそ、余計な時間を削ると集中力も温存できます。
東京市場の特徴と攻略ポイント
中値に向けた値動きを利用する
東京市場では午前9時55分に決定される「中値(なかね)」が大きな節目となります。これはその日のドル円の基準レートを決める仕組みで、多くの金融機関が注目しています。一般的に中値にかけてドル買いが強まり、決定後に反転する傾向が見られます。
僕自身も、この時間を狙うことで効率よく利益を上げられる場面が増えました。特に5や0のつく日(5日、10日、15日など)は「ゴトー日」と呼ばれ、中値にかけてのドル需要が強まる傾向があるためです。これを理解していれば、短時間の値幅を確実に狙うことができます。
活用法としては次の通りです。
- 9時台は中値に向けたドル買いを意識する
- 9時55分の決定後は反転に備える
- ゴトー日を特に重視する
テクニカルだけでなく、こうした時間軸のイベントを活かすことで、東京市場の限られたボラティリティを攻略できます。
午前9時〜11時を勝負時間に設定する
東京市場で効率よく稼ぐには、午前9時から11時の時間帯が最適です。市場参加者が活発で、中値前後の値動きが一巡するからです。この時間を逃すと午後は一気に値動きが落ち着き、思うようにトレードできません。
僕自身も、午前中だけ集中して取引し午後は相場から離れるスタイルに切り替えました。その結果、余計なエントリーが減り、資金効率も上がりました。
ポイントを整理すると次の通りです。
- 9時からの寄付きで方向を確認する
- 中値に向かう動きを狙う
- 10時以降は反転や利確の動きに注意する
短時間で完結させることで、効率的かつ安定したトレードが可能になります。
午後はトレードせず休む選択を取る
東京市場の午後は基本的に値動きが乏しく、トレード効率が下がります。欧州市場が開くまでの時間は参加者が減り、レンジや小幅な動きが続くことが多いためです。無理に仕掛けても値幅が取れず、ストレスだけが残る結果になりがちです。
僕自身、午後に「せっかく時間があるから」とエントリーして損を積み重ねた経験があります。そこで午後は思い切ってチャートから離れ、休憩や分析に使うようにしました。気持ちを切り替えられるため、ロンドン市場に向けて集中力を保つことができます。
午後の過ごし方としては以下が有効です。
- 午前のトレードを振り返る
- 経済指標の予定をチェックする
- ロンドン市場に備えて休養する
取らなくていいリスクを避け、次の市場に備えることが東京攻略の鉄則です。
ロンドン市場の癖と立ち回り
東京のトレンド否定を前提に備える
ロンドン市場が始まると、東京の流れを打ち消す動きが頻繁に出ます。理由は市場参加者が大きく入れ替わり、ユーロやポンドを中心としたフローが主導権を握るからです。東京で築かれたトレンドをそのまま追随すると、ロンドン勢に逆を突かれて損失を抱えるケースが多発します。
僕自身、東京時間で大きく下落した流れに安易に乗り続け、ロンドン初動で反転に巻き込まれた経験があります。この失敗から「東京のトレンドを盲信しない」ことを強く意識するようになりました。
そこで、ロンドン初動を迎える際に意識すべき要点を挙げます。
- 東京時間のトレンドはロンドンで否定されやすい
- 特に15時〜16時台は反転に警戒する
- 東京の急激な値動き後は順張りを避ける
ロンドンでは「潰しの動き」が起こる前提で立ち回るのが安全策です。
サマータイムの時間調整を把握する
欧州にはサマータイム(夏時間)があり、ロンドン市場のオープン時間が1時間早まります。通常は17時スタートですが、夏時間は16時に始まるため注意が必要です。さらに実際の値動きは1時間前から活発になるケースも多く、アーリーロンドンとして意識されます。
僕自身も、以前は「16時開始だから」と油断して待っていたところ、15時台に大きな反転が出て乗り遅れたことがありました。この経験から、必ず1時間前から相場を監視するように切り替えました。
押さえるべきポイントは次の通りです。
- 夏時間は16時、冬時間は17時スタート
- 実際の値動きは1時間前から発生しやすい
- ロンドン初動の反転を狙うなら早めの準備が必要
時間調整を正確に理解しておくことで、エントリーチャンスを逃さずに済みます。
東京の急トレンド後は反転シナリオを狙う
東京市場で大きなトレンドが発生した後、ロンドンはその流れを反転させる動きを見せやすいです。特にドル円で東京時間に70〜80pips以上の急落や急騰があった場合、その含み益を抱える参加者が一斉に利確し、ロンドン勢の逆方向の仕掛けで反転が起きやすくなります。
僕自身も、東京で大きく動いた日は「順張り」ではなく「反転シナリオ」を優先することで安定感が増しました。単純なテクニカルだけでは説明できない動きが、時間帯の特性を知ることで理解できるようになります。
具体的な対策は以下の通りです。
- 東京で急トレンドが出たら追随せずに静観する
- ロンドン初動で反転サインが出たら積極的に狙う
- 順張りではなく流れの切り替えを意識する
ロンドン攻略のポイントは「東京の逆を取りに行く」意識を持つことにあります。
ニューヨーク市場で意識すべき点
重要指標を起点にシナリオを立てる
ニューヨーク市場は、米国の経済指標に大きく左右されます。雇用統計やCPIなどの発表直後は一気に値が飛び、想定外のボラティリティが生まれるからです。テクニカル分析が効かなくなる時間帯でもあるため、事前にシナリオを立てておくことが欠かせません。
僕自身も、指標の存在を軽視してトレードした結果、一瞬で逆行に巻き込まれた経験があります。そこで「指標は避ける」か「指標後の流れを取る」の二択に切り替えました。このルールを徹底するだけで、無駄な損失をかなり減らせました。
では、実際に取り組むうえで押さえておきたい行動指針を整理します。
- 発表前はポジションを極力持たない
- 初動はスルーして落ち着いた後に入る
- 指標ごとに影響度の強弱を把握する
指標をリスクではなくチャンスとして捉える視点がニューヨーク攻略の第一歩でしょう。
21時〜25時をメインのエントリー時間とする
ニューヨーク市場では、21時から25時にかけて流動性が最も高まります。ロンドン勢がまだ残っているため、市場参加者が集中し、値動きがスムーズになるからです。この時間帯はテクニカルも効きやすく、短期トレードには理想的です。
僕自身も兼業時代はこの時間に絞ってトレードしていました。仕事を終えてからでも参加でき、しかも市場が最も厚い時間なので効率よく狙えたのです。逆にそれ以外の時間は「動かないのに無理に入って損をする」ことが多く、結局エントリーを削る方が成績が安定しました。
まとめると次のようになります。
- 夏時間なら21時〜25時、冬時間なら22時〜26時が中心
- ロンドンとニューヨークが重なるため板が厚い
- 仕事後でも取り組みやすい時間帯
チャンスを限定することで、質の高いトレードが可能になります。
指標後のトレンド継続か反転かを見極める
ニューヨーク市場の難しさは、指標後にトレンドが継続するのか、それとも一瞬で反転するのかの見極めにあります。初動をそのまま信じると騙しにあいやすく、冷静に第二波を待つ姿勢が必要です。
僕自身、CPI発表後のドル急騰に飛び乗って失敗した経験があります。その後、急騰の初動は避け、落ち着いて戻りや押しを確認してから入るようにしました。これにより「だましに巻き込まれる負け」を大幅に減らせました。
そこで、具体的にどのように構えるべきかをまとめます。
- 初動は静観し、数分〜十数分待つ
- 第二波の方向を見てから仕掛ける
- 反転のサインが出た場合は逆張りを検討する
ニューヨークで勝ち残るには「待つ技術」が必須でしょう。
特殊要因と節目の時間
大口オプションカットを抵抗帯として意識する
ニューヨーク市場では、23時に控える「オプションカット」が値動きに強く影響します。特定の価格に大口のオプションが集中していると、その水準が抵抗帯やサポートとして機能しやすいからです。23時を境に一気にブレイクが起きるケースも少なくありません。
僕自身も、このオプションカットを軽視していた頃は「なぜここで止まるのか分からない」という場面に何度も直面しました。ところが意識するようになってからは、無駄な逆張りを避けられ、むしろ23時以降のトレンド発生を狙えるようになりました。
では、トレードに活かすための具体的な視点を整理します。
- 大口オプションがある価格は抵抗帯になりやすい
- 23時まではブレイクせずに止められることが多い
- 23時を過ぎた後の動きに注目する
オプション情報を事前に把握しておくことで、より根拠のあるトレード判断ができます。
月末ロンドンフィックスでの急変動を警戒する
ロンドン市場の「ロンドンフィックス」も重要な節目です。特に月末は投資ファンドや機関投資家の大口フローが集中し、普段では見られない急変動が起こりやすくなります。東京市場の中値と似た位置づけですが、規模と影響度は格段に大きい点が特徴です。
僕自身も、月末に「普段と同じ感覚」でエントリーし、突然の大きな逆行で損切りになったことがあります。その後は月末前後のロンドン時間は必ずチャートを監視するだけに留め、むやみに入らないルールに切り替えました。
警戒のポイントをまとめると以下の通りです。
- 月末はロンドンフィックスに向けて流動性が急上昇する
- 一方向に大きく動いた後、急反転するリスクがある
- 大口フローを背景にした値動きはテクニカルが効きにくい
普段通りの感覚ではなく、「特別な日」と認識して臨むことが損失回避につながります。
理想的なトレード時間の組み立て方
東京・ロンドン・ニューヨークを時間割で分ける
一日の中で全ての時間を追いかけるのは非効率です。市場ごとに癖が異なるため、それぞれを「時間割」として区切り、自分が集中できるセッションを明確に決めることが重要です。
僕自身も、以前は「せっかく24時間動いているのだから」と欲張っていましたが、結局は疲労だけが増え、成績も安定しませんでした。東京・ロンドン・ニューヨークを時間で区切り、それぞれの攻略法を整理したことで、余計なトレードが減り、質の高いエントリーに集中できるようになりました。
では、代表的な時間割の例を示します。
- 東京:午前9時〜11時、中値を軸にトレード
- ロンドン:15時〜18時、東京の逆を狙う
- ニューヨーク:21時〜25時、指標後の流れを重視
「時間で区切る」ことで相場と生活のリズムが整うでしょう。
流動性の高い時間だけに集中する
効率よく勝つためには、動きの大きい時間だけに絞るのが得策です。流動性が高いとテクニカルも効きやすく、値幅も狙いやすいからです。逆に閑散時間はブレイクが止まりやすく、ノイズに振り回されやすくなります。
僕自身も「せっかく相場が開いているから」と薄い時間に手を出して失敗を繰り返しました。そこで流動性が高い時間だけを狙うように変えた結果、勝率も資金効率も向上しました。
特に集中すべきは以下の時間帯です。
- 東京の9時〜11時
- ロンドンの15時〜18時
- ニューヨークの21時〜25時
狙う時間を限定することで、トレードの質を一段引き上げられます。
生活リズムに合わせて市場を選ぶ
最終的には、自分のライフスタイルに合った市場を選ぶことが長続きの秘訣です。いくら理想の時間帯でも、無理に生活リズムを崩して取り組めば継続できません。安定した体調と集中力があってこそ、冷静な判断ができます。
僕自身も子育てや生活のリズムに合わせて、ロンドン市場を中心に据えています。以前は夜更かししてニューヨークを追いかけていましたが、翌日に支障が出ることが多く、結果的に良いトレードにつながりませんでした。
では、ライフスタイル別に適した市場をまとめます。
- 早起き型なら東京市場を中心にする
- 午後に余裕があるならロンドン市場を狙う
- 夜型や兼業ならニューヨーク市場を活用する
勝てる環境を「自分に合わせて作る」ことが大切です。
まとめ
FXで安定して勝つためには、まず一つの市場に絞って徹底的に取り組むことが効果的です。東京・ロンドン・ニューヨークはそれぞれ特徴が異なるため、全部を同時に攻略しようとすると分析が散漫になり、学習効果も薄れてしまいます。
僕自身も初期の頃は「せっかくの24時間だから」と各市場に手を出しては失敗を繰り返しました。最終的にロンドンに集中したことで、値動きの癖や参加者の思惑を深く理解できるようになり、安定したトレードパターンが身につきました。
また、市場ごとの癖を理解して無駄打ちを減らすことも重要です。東京は中値中心の限定的な動き、ロンドンは東京を否定する反転、ニューヨークは指標主体の流動性といった特徴があります。これを理解しないままテクニカルだけで挑むと、無駄なエントリーが増え、負けにつながります。
僕自身、時間帯ごとの特徴を無視してトレードしていた頃は「パターン通りにやったのになぜ負けるのか」と悩んでいました。しかし、市場ごとの癖を前提にルールを組み直しただけで、勝率も資金効率も改善しました。
結局のところ大切なのは、チャート形状だけではなく「時間帯と市場参加者の思惑」を意識することです。これにより不要なエントリーを削減し、集中すべき場面に力を注げるようになります。市場を絞り、癖を理解する。この2点を軸に据えることで、日々のトレードが着実に改善されていくことでしょう。



